iMacから見た今回の発表の仮説をくどくどと…
Fifth Generation iPod(動画iPod)が発表された時、幾人かの声大きい人が「放送革命」と言っていました。
正直、それが全然ピンとこなかった。
ということを「■iPod Videoではなく“iPod”」で書きました。
数日経過して、自分の冷静さと周囲の冷静さから変化があるかと思ったら、やっぱり動きがあった。
まずはこれ↓
□BCNランキング :: 特集 :: iPod動画対応の真意は? 発表イベントで来日中の米アップル開発者に聞いた
まず、「iPod」にビデオ再生機能を搭載した理由について、イング氏に尋ねた。再度確認したかったのは、これから「iPod」を携帯ビデオプレーヤーとして展開していくつもりなのかどうか、という点である。これに対してイング氏ははっきりと、「iPodはこれからもベストミュージックプレーヤーであり続ける」と答えた。これはiPod担当者が記事中に答えた言葉。
「iPod」にとって、ビデオ再生はあくまで音楽を楽しむためのオマケ的な機能と割り切っているという。音楽シーンでは、いまやミュージックビデオはとてもポピュラーな存在となってきている。自分の音楽ライブラリを持ち歩くように、好きなアーティストのミュージックビデオも持ち歩きたい、というユーザーの要望に応えたものだ。
これだけでは、前記事で言っていた内容が当たりだったと言える。
・・・ってここで終わっていたのでは単なる自慢と思われてしまう。そんなことを言いたくって書いたのではない。というより、これから自分の意見を否定することを書くのかもしれない。
続きは↓ココから↓
結論から言うと、Fifth Generation iPodの発表は「放送革命」なのではなく「Apple革命」だったのではないか?
その根拠は、iPodではなくiMacにある。
PCではない「somethingNew」なモノ
ご存知の通り、
・カメラ付き
・大画面
・リモコン(FrontRow)
がポイントなiMacであるが、これを皆PCと認識している。
Apple以外は・・・。
ここで日本人が物事を理解するシステムに一番苦手なことが起きる。それは“カテゴリーの破綻”
つまり、これはPCというカテゴリーの商品ではない。
かといってTVとかの家電製品というカテゴリーでもない。
進化途中の奇形と言うべきか・・・
とにかく「somethingNew」なモノである。
FrontRow=メディア距離解決策
機器には最適使用距離というのがある。
昔言われましたよね?TVは1m離れて見ましょうって。
あれ。
PCは50cmメディア
一人TVは1mメディア
リビングTVは1.5mメディア
PCがTVにならない根源は、これにあると思う。
コンテンツ内容が違うのも、これに帰する。
その解決法としてのFrontRow。
40インチiMacはPC?TV?
今は、17インチと20インチで小さすぎるが、
あれが25インチ、40インチになったことを想像してほしい。
あなたの想像されたiMacはなんと呼べばいいだろう?
多分「TV」だろう。
でも表示されているのは・・・HP?TV放送?iTunes?
あーわからなくなってきましたよね。
TVを目指すiMacなのに、なんでチューナーつけてこなかったの?
TVパソコンなら、今更の話じゃないの?
と思われるかもしれない。
認識の方法として便宜的に「TV」と理解していますが、AppleはTVを作りたい訳ではなかった・・・としたら?
TVでもないPCでもない「somethingNew」
それが今回のiMacだと思うのです。
TVの脱皮、次の姿は?
ここで、3つのポイントを理解の糸口にしてほしい。
1)TV放送がどういう風に変わりつつあるか?
2)カメラが付いていること
3)iMac(Apple)の競合社はどこ?
まず、1)です。
ぐぐっていただければ、情報がいっぱいでてきますが、
デジタル化のお蔭で、双方向へと向かっています。
業界の方ならミミタコなネタで、
・クイズ番組にお茶の間から参加
・ドラマの女優が見に付けているアイテムが、その場で検索できて、TVショッピングできちゃう。
とかってアイデアが言われています。
ゆっくりではありますが、確実にTV番組は力道山の時代とは違うものになるのです。
理解の便宜として「ゲーム」を想像されるのがいいかもしれません。映像を多様してあなたを楽しませることが目的の、まさにエンターテイメントです。
力道山を街頭で見ていた人が突然タイムスリップしてきて、
こんなTVを見たとき、TVだと言ってくれるでしょうか?
多分言わないでしょう。
「オレの見ていたTVはこんなじゃない。」
カメラは脱皮後TVへの実験
茹でカエル同様、段々とTVがTVでなくなる。
双方向になって、カメラが付いていたら・・・想像が広がりません?
・TVショッピングで売られているワンピース。自分の顔が合成され、まるで自分が着ているよう。
・主人公が自分のドラマ
・顔色を見て、最適な番組を選んでくれる
これが2)の話。
TVではない新しいエンタテイメントになった時、カメラはとても有効なデバイスになるはずです。
っでライバルはどこなのさ?
さて、ここまでの話が最も理解できる業界はどこでしょう?
TVに関する業界ではないでしょうか?
放送に関わる人と、TVを作る人。
そして3)です。
Appleのライバルは家電業界という仮説。
今回のiMacでAppleは
「貴方たちとはgenerationが違う位置から、挑戦状をお渡しします」と言っているように思ったのです。
リモコンボタン数が極端に違う理由
その一つは、あのshuffleみたいなリモコン。
キーノートの中でも比較されていましたが、MSや家電メーカーのそれとはボタン数が全然ちがいます。
あれは、言い方は大変申し訳ないが、
これからどんどん減るであろう世代の人達の為のボタンです。それは今の全ての人が使える商品を作っているTVメーカーとしては、しょうがないというか当然のボタン数なのです。
NHKでも研究がされていますが、ゲームに慣れた世代はカーソル+決定キーが使いやすく思いますが、これから減る世代の人達は、ボタン名が実行されるキーが使いやすいのです。
Appleのユーザーには、そのような世代は少なく
カーソル+決定キーでいいわけです。
というカラクリを知れば、MSがどれだけ安易なのか?
は言うまでもないでしょう。
それはさておき、
TVメーカは今のお客の今のTVを作っていて、
Appleは未来のお客の未来のTVを作り始めた。
と言えるのかもしれません。
Appleはなんの会社?
さて、ここで最初の話に戻ります。
「放送革命」なのではなく「Apple革命」だったのではないか?です。
iPodから見るか?iMacから見るか?
iPodを主軸に見れば、放送が変わると言えるかもしれません。ですが、例えばケータイを見ても、1セグを見ても、Appleが作らなくとも遅かれ早かれ、iPod+iTunesで動画を扱うようなことは実現していたと思うのです。最もそれに近いのはPSPを持つSONYでしょうか。VideoCastingはユーザーから自然に発生するでしょう。
iMacを主軸に考えたらどうでしょうか?
というのが今までのお話です。
Appleはカテゴリーで言うと、PCメーカーですよね?
(正確にはPCはWinを指す事も多いので、パーソナルコンピューターメーカーかな?)
でもiMacが目指す姿は、PCでしょうか?TVでしょうか?
そしてライバルと見ている企業はどこでしょうか?
今までのAppleとは違う認識が、そこには必要になっていると思います。これが「Apple革命」の根拠です。
そんな話は今に始まったことではない
ここまで話して、情報と感に鋭い人はこう言うでしょう。
「そんなことは、ちょい前から分っていた」と。
たしかにそうだと思います。
今から考えると、Appleのここ最近の新製品には「Apple革命」的コンセプト軸が感じられます。多分Jobsが帰ってきたときから、社内ではPCメーカーという認識が無くなって、名前の付けられない新しいカテゴリーの会社になったのでしょう。
その方向がようやく、
わかりやすい形(iMac)で改革が実行されたのだと思いますが、いかがでしょうか?
□:: 特集 :: iPod動画対応の真意は? 発表イベントで来日中の米アップル開発者に聞いた[BCNランキング]
そんな仕掛けを当時既に考えていたし実現できた。彼らは何年間眠ったんでしょうね。またノートパソコンにカメラを付け始めた彼らですが。
私が考えるひとつの到達点としてのマックはまだ過渡期ですが、圧倒的に私が考える思考に近いものになりつつあります。また、ソニーはXMBでしたか、ソニーのスゴ録シリーズやプレステで培ってきた新しい直感的な操作OS、こちらにも可能性を求めています。
話がぴょんと飛びますが、私の考えるもうひとつの到達点、コミュニケーションはよりウェアラブルになるし、画面はより大きくなるという予測の元で一番近いもの・・・
http://www.sharp.co.jp/ws/
が出てきました。アップルが先か、ソニーが先か、それとも通信系キャリアが先か・・・
双方向で一番を勝ち取る開発者にとって、私が考えるキーワードは
「より直感的か」
「より立体的か」
の二点です。
家で扱う情報家電(PCの場合)だと、OSを立体をイメージして出してきた企業が双方向時代を制するんじゃないかなと今は思っています。マックのOSは今明らかにウィンドウズの数年先を行っているような印象を受けますので、マックが一番優位かな。
でも、私は意外とソフトウェアベンダーがこの世界を席捲するような気もしていますけどね。スクエニとかコナミとか・・・
って書いてて自分でも脈絡が掴めなくなって来ました。でもこのままエントリしちゃおうっと。
追加です。参考程度に・・・
こんちぱ!まっすーさん。
商品を出すタイミングというのは、ホント難しいものですね。
最近の商品やサービスは、ユーザーにどれだけリテラシーやソリューションニーズがあるか?にすごく左右されやすいと思いません?「いいもの」だけでは売れないのが今なのでしょう。
確実に商品はハードからサービスへ移っています。
だから、タイミングが重要になっているのだと思います。
どんなにカリスマな美容師でも、散髪したてには必要ないサービスですからね^^
その見極めが日本の会社にあるのか?
が今後とても重要な要素になりそうです。
Sonyでもそれがウマい会社ではなかった。
のでしょうね。XMB(クロスメディアブラウザのことですよね?)と多くの商品でそれを採用する動きは、今後すごくアドバンテージになる技術だと思うのですが、話題性は結果的にいまいちです。これもタイミングとユーザーリテラシーが邪魔しているのだと思います。
その点で、スマートフォンには正直疑問があります。タイミングは遅かった。ユーザーリテラシーは、これを使う素養がユーザーにない。という仮説。
同じ間違いをした商品にPanasonicのピノキオというのがあります。
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/961219/pino.htm
「より直感的か」は、インターフェイスの操作性
「より立体的か」は、提供する情報量を増やす
だと解釈しました。
直感的なインターフェイスというのは、
今後とても重要な課題でしょうね。「マイノリティーリポート」で登場した「タンジブルインターフェイス」とかは、その鍵を握るテクノロジーで、あんなに〜っぽくてサイバーなものではなく、もっと地味な形で、白物家電には導入されるのではないでしょうか?
「より立体的か」は、
見た目や操作感が必ずしも3Dになる必要性はないと思います。
だから、MacOSが先を行っているとも、Vistaが先を行っているとも思いません。
情報内容を立体化し「奥行きある情報」の提供は、これから必須だと思います。
話はそれますが、MacOSはOS9時代に比べ、
もの凄く退化し、あの時の人間的で直感的な良さは無くしているなぁと感じています。使っていて。
たぶん、彼らはXPと比べられるOSはもう作る気がないのでしょう。それよりも、白物家電に搭載されているような存在を消してサービスだけを純粋に提供する環境全体を作ろうとしているのだと思います。ハードを作る会社でも、ましてやOSやソフトを作る会社でもなく、サービスを提供する会社。だから次第に「NewVersionOSデビュー!」とは言わなくなるでしょう。
「OSって何?」と言われるのが今のAppleの目標のように思います。
その点で、スクエニとコナミは少し違います。
多分、スクエニはこれ以上の進展は無く、
コナミは多角化経営の手腕次第で、統合サービス企業になれるかどうか?かなと思います。
・・・という考えですが、いかがですか?
ピノキオというのがありましたね。でも、以前と今とで決定的に違う要素もあり、期待もできますよね。
通信スピード
パケット方式&通信定額
カラー液晶&高精細
コンピュータとの親和性
「あ、これ調べたい」とか「これ食べたい」とか「これ買いたい」な−んていう欲求を直感的に満たしてくれるツールとしてW−03は成立するんじゃないでしょうか。
私はマックOSは全然退化などしていない(マックに触る感覚がずいぶん開いていたからかもしれません)と思っています。進化の度合いが多少緩やかになったのかもしれませんね。
私が言うOSとはコンピュータOSのことではなく対人のOSというニュアンスが強いかもしれません。
私はゲーム開発などをする会社がハードウェアOSを作ると本当に素晴らしいものができると期待しています。それこそ「パソコンなんて意識しない」でしょう?
ただ、私が考えている思考のものは、テレビのデジタル放送がすべて実現してしまいそうなものでもありますけどね。
KOuさんのお考え、クールかつスマートで頭が下がります。まずは第五世代が世間にどんな風に受け容れられていくのか拝見、といったところですね。早速ですがB’zのライブ映像なども一部独占配信の報道などもありましたし、今後もますます楽しみです。
ただ、なんかユビキタスを目指す社会のベクトルとは大きく違うような気がします…。
OSはオペレーションシステムですから、対PCor対人ではなく、PCと人の両方に対してI/Fを提供するサービスが理想ですね。が、現状はそうではなく、対PC(機器)に傾き対人は人の熟練や経験に頼っている部分は多く、そういう意味では、言われているニュアンスは理解できます。
Macが目指しているOSは、そういったOSではなく、
OSは対PC(CPU)に傾き、iTunesやそれが窓口となるサービスを含めた全体ソリューションを対ひとOSと位置づける姿を目指しているように思います。
それはXPがIEを内包し、インターネットというサービス全体をOS内に組み込もうとした姿の次世代版という感じ。
実は同じような臭いを感じるのは放送業界なんですよね。Appleほど広範囲ではないですが、お茶の間という範囲で。
5GiPodと話がそれてしまいました。
モバイル動画というのがこれからどれだけ受け入れられるのか?というのは、色々言ったところでコンテンツにかかっているのは間違いないことです。
この新しい市場を良しとみて積極的になるか?
それとも自身保護ばかりを考え、囲い込みをして市場を潰すか?みものです。