無意識を無意識に意識する
デザイナーは本来、コミュニケーションの問題を様々なメディアを通したデザインで治療する医師のようなものである。
これは、先ほど読了した本「デザインのデザイン」(原研哉 著)にあった一節。
端くれながら、デザイナーという仕事をしている人間にとって、
もっとこの言葉が広まればいいのに、と思う。
この本は題名からして、
デザインという職業に関係する人の為の本
・・・だと思われるだろう。
もちろんそういう方にも読んでほしいが、デザインに関係ない人にもっと読んでほしい。
その理由は、
デザイナーという職業が考えた知恵を知れば、
普段の生活がもっと良いものになると思うから。
もっとも、デザイナーだけでなく、
人間の知恵というのは全て面白いのだが…。
続きは↓ココから↓
デザイナーの得意技の一つに
「無意識を意識する」というのがある。
人間は、とても多くの情報を処理して行動している。
その全てを意識しているわけではなく、自然と気づかないうちに処理してしまう情報もある。
☆例えば、色。
しっかり「暖かい」や「冷たい」の文字を読まずとも、
赤やオレンジならば、「暖かい」
青や水色ならば、「冷たい」と判断できる。
☆例えば、形。
ドアノブが丸ければ、「握って回すドアだな?」と思うし、
棒状の取っ手が縦についてたら、「引き戸だな?」
取っ手が付いていなければ、「押すか自動だな?」と思うだろう。
よほど用心深い人でないかぎり、
これら一つ一つを丁寧に確認して行動を起こす人はいない。
デザイナーはこのような
「さしたる意識をせずとも処理されてしまう情報」
を意識し、
「意識せずとも処理できるような情報」にすることを心がける。
自動販売機のホットコーヒーは青くしないし、
自動ドアに立派な取っ手はつけない。
これはとても大事なことなのだが、とても地味。
そして、意識されないから成功という、なんともジレンマ。
でも、それを知ると、
世の中に溢れる知恵に気づくことができ、普段の生活がとても面白くなる!っと思うのだ。
この本は、原氏が関わったさまざまな実例を元に、
このような“知恵”の解説がされています。
そうそう、冒頭の引用はこう続きます。
だから頭が痛いからといって「頭痛薬」を求めてくる患者に簡単にそれを手渡してはいけない。診療をするとそこには重大な病気が隠れているかもしれない。時には手術も必要になろう。それを発見し最良の解決策を示すのがデザイナーの役割である。
「無意識を意識する」というのは、
デザイナーという医者の治療方法の一つの方法。
デザイナーは薬だけで治療するわけではない!と
原氏はとても的確なたとえを使って表しておられます。
世の中には、実は潜在的な患者さんだらけなのです。
そして、誰に知られることもない
美しい手術の痕跡が溢れているのです。
コメントいただいてるの気づかなくって
失礼しました。
ダダのお話しためになりました^^
こんにちは、mikiさん
いえいえ、また遊びに来てくださいね。
で、携帯からのエントリのダイレクトリンクが作成されてませんで……
仕方なくこちらにコメントで〜す。
携帯からのモブログだと、再構築がうまくいかないみたい。だからリンクが貼られなかったようです。
即座に反映もされないし、パーマリンクもできない。
これは、致命的な問題だなぁ・・・