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2006.01.06

■ハウルの動く城

カルシファーがいいねぇ

映画は、見ている側の想像力に頼る。
特にアニメは頼るところが大きい。

アニメの仕組みのような、2コマ間の動きを想像力補完するのは、
誰もが最低限持ち合わせる想像力だが、
映像と音だけでそこにある以上の情報を伝えようとすると、
見る人により随分と差(ブレ)ができてしまう。

例えば 風鈴を見て、
夏休みに子供が田舎へ! と想像する人もいれば
都会に疲弊し田舎へ癒しを求める女性… と想像する人もいるだろう。

全ての情報を真正直に説明すれば、伝わる情報にブレは無くなるが、
それでは作品の面白さは激減する。
かといって、想像力に頼りすぎると、ブレすぎて作品が成立しない。

このバランスが、作り手の悩み所であり、腕の見せ所だと思う。
ハウルの動く城』は、そのお手本のような作品だと思う。

続きは↓ココから↓


アーティスティックな作品や、実験的な映像作品にはこういったタイプの作品があったが、ハウルほど突っつき易く優しい雰囲気の作品は初めて見た。

blogでの反応を見回ったが、極端な賛否両論のようだ。
訳がわからない、どうして〜となるのか?不明…などなど、
確かに一筋縄ではいかない作品だと思う。

いままでの宮崎作品には、何か判り易いメッセージが込められていた。
が、これにはない。
ないというより、判りにくい。
判りにくいというより、個々の受け取りのブレを容認している。

ある人は戦争が云々と言うかもしれない。
ある人は純粋無垢な少年少女の愛物語と言うかもしれない。
ある人は宮崎流のファンタジーと言うかもしれない。

どれでもいいやん。
そう思ったんやったら、それが正解。

どう思ったか?の内容をどうこう言うより、
見ている間に、どれぐらい感情の揺さぶりがあって、
どんなことを考えられて、どう思って、
“見た後の自分”が“見る前の自分”とどう違うか?

そして、ふっとしたときに、
ハウルやソフィーやその他の登場人物の顔が頭をよぎる。
っで何となくもう一回会いたくなる。


全ての人がそうではないと思うけど、
作り手からの情報を正しく受け止められる、正しい観客を目指さないといけない。
この作品からは、こんなメッセージを受け止めるのが正しい。
だから、こんな良い子の思想を抱くのが正しい。
…みたいな、そんな見方をしていたような気がする。

そこから開放された人は絶賛しているんだろう。
そういう反応なのかもしれないなぁ…と思ったですよ。


「名前は必要な数だけある」



もしかすると、一番好きなジブリ作品かもしれない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

カルシファーの我修院さんと、大泉洋さんが一番声優としてうまかった。
ソフィーの年齢によって微妙に声を変えていた、倍償さんもスバラシイ。

■reference
ハウルの動く城
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おっ!まだ限定版があるやん!
上映に使われたフィルムから厳選した一コマを使って作られたオブジェ付き。どのシーンが当たるか?が楽しみ!

となりのトトロ (ハウルの動く城ミニフィギュア付き)
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なんでトトロにハウルがついとんねん!

ハウルの動く城    スタジオジブリ絵コンテ全集 14
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個人的にはこれが一番のオススメです。
宮崎さんの絵コンテは「後から描いたんとちゃうの?」と言いたいぐらい、絵コンテに忠実に作品化されることで有名。それだけ完成度の高い絵コンテを描かれるんです。エンピツと黄色だけなのに、ものすごくウマい!完成した姿が本当に伝わってきます。
posted by KOu at 18:04 | Comment(3) | TrackBack(0) | ■Kino
comment
こんにちは。
あれ違いますか。
トトロとハウルの城の形が若干似ていたから、セットになっていたんでしょうね…。笑
Posted by PTウーキ〜 at 2006.01.09 14:21
KOuさん、あけましておめでとうございます!
私は「ハウル・・」を恋愛物語のように受け取ってて「イマイチやな〜」と思ってました。(恋愛物語あまり好きじゃないから)キャラクターも妙に少女漫画にでてきそうにキレいやったし宮崎監督っぽくないと思ってたけど、ここ読んで妙に納得してしまいました。やっぱり一番好きな作品ではないけど、もう一度見るつもりです。w 
私はトトロと千と千尋の神隠しが好き。あとキキも。

追伸:ほんまにトトロとハウルの形似てるわ!!
Posted by きこ at 2006.01.11 08:50
■PTウーキ〜 さん
あははwwwそういうことか!
最初わかんなかったけど、気づいて納得。
おにぎりがオマケよりいいよね。

■きこさん
あけましてです。

これは「○○映画」ですね、と言葉に変換できる受け取り方って、なんか薄っぺらいなぁと感じたのですよ。この映画を見て。
多分、いろんなシガラミに苦しめられたんじゃないかなぁ、宮崎さん。この映画撮る前は大々的に引退を発表してたのにすぐ撤回してこれ作ったでしょう?
たぶん嫌になったんじゃないかなぁ、その薄っぺらさに。

言葉や理論や公式・・・そういった人間が汎用的に使えるよう工夫した知恵から脱却して見る。
ってもの凄く簡単でもの凄く難しい見方ができれば、また違った感じ方ができると思います。

Do not THINK ... Feeeel!
Posted by KOu at 2006.01.11 11:19
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最後まで読んでくれてありがとう!
そんなあなただけに、KOuからのとっておきトリビア!


トリビア司会者の後ろにある水槽の商品名は「アクアティックビジョンシステム」